火に魅せられて
- gorosuke
- 2017年9月19日
- 読了時間: 4分
秋に入ってあたたかいものが美味しく感じられるようになりました。
森で火を焚いてあたたかいご飯を食べる。
これがやりたくて森のようちえんの活動をやっているといっても過言ではありません!?
火を見ているとなんだか心まであったかくなるんです。

久しぶりに森のようちえんに来てくれた年長さん。
おうちではIHキッチンということもあって火を見るのは久しぶりだそう。
最初は”火!火!”と怖がって遠巻きに見ているだけでしたが
だんだんと近づいてきて興味津々。
薪をくべると火にすっかり魅了されて
ずっと火の番をしてくれました。

男の子は特に!火が好きですね。
火吹き棒で息を入れる度に、ボボゥって火が大きくなるのが面白くて
何度も何度もやってくれます。
小さい子もマネしてふ~ふ~
火とのやりとりが楽しいんだね。

火をつけるのも人気の仕事。
いつも森に来てくれる年長さんの男の子は大きいマイマッチを持って火つけをしてくれました。
回を重ねるごとに上手くなる。
それが面白いし頼もしい。
普段できないこと、やらないことも、森でならできる。

薪を切るのも大事なお仕事。
準備が大変だけど、子どもにとってはすべてが遊び。
子どものやりたいを大事にできる森の時間がとっても好きだ。
これが毎日の炊事の度の仕事だったら大変だろうけど
森での遊びの一部だから、気楽に楽しめる。

平日クラスでもお月見団子づくりをしました。
粉をこねこね。くるくる丸めて。お団子づくりは子どもの得意。
手をまっしろにして感触を楽しんで。
みんなでやるとさらに楽しい。


みんなで世話した火のお陰でぐらぐらお湯が沸きました。
家のガスだとあっという間の湯沸かしも一時間ぐらいかけてじっくりゆっくり。
森時間だからできるのかなぁ。
お団子いれてぐつぐつゆでて
つるっつるのお団子が出来あがったよ。

あんこと、きなこと、みたらしかけて
お団子パーティーのはじまりはじまり!
じっくりゆっくり作ったお団子だけど
食べるのはあっという間!
そのコントラストが面白い。
火とじっくり付き合ってできたお料理は
なんとなく火の匂いがして
いつも以上に美味しく感じる。
火って不思議。
炎のゆらぎは人の心をつかむ。
キャンドルもいいね。
便利な世の中になって
なんでもスイッチひとつで出来ちゃって
結果だけにすぐアクセスできるようになっちゃったけど
過程を楽しむことが
忘れ去られているような気がするんだ
ただお湯を沸かす
それだけなんだけど
薪を拾って
ほどよい長さに切りそろえ
細かい落ち葉や細い枝も揃えて
マッチで火をつけて
風を送りながら火を育てて
火が育ったらそれを維持して
そうしてゆっくりゆっくり
湯気が立ち泡が立ち
ようやく湯が沸く
その過程で得られる刺激は
スイッチひとつでは得られない
子どもを育てる刺激にあふれていると思うんだ。
木が燃える音、匂い、炎の色、けむりの方向、あらゆる五感を刺激する。
子ども時代には五感をたくさん使って欲しい。
だからこそ、火を使って料理する。
五感をくすぐり、五感を研ぎ澄ませ、五感を楽しむ。
そんな経験を、子ども時代にたっぷりやって欲しいから。
なんていって、私が一番、火に魅せられてる。
ほんの一昔前は、焚き火なんてきっと当たり前に会った風景。
東京の街中で育った私にはあんまり記憶はないけれど
♪かきねのかきねの曲がり角♪たきびだたきびだ落ち葉炊き♪
という歌の風景は容易に想像できる。
昔は火がとても身近にあったのだろうに。

ドラえもんを読んでいたら、こんな絵に目がとまった。
きっと昔は庭先で子どもが焚き火をしているのが普通だったのだろう。
今やIH化で火を見たことがない子もいるという。
どんどん社会から火が遠のいていく。
火と遠ざかることは五感を使う場面が少なくなるということ。
とっても便利だけど、何か淋しい。
火は怖い。けれど、とても温かく、うまく使いこなせばとても役に立ってくれる。
自然ととても近いような気がする。
自然との付き合い方も、火と付き合っていくうちに、身体に沁みついて行くのだろうなと思う。
これから火がとても恋しい季節。
火を使って何しよう。
今週のお誕生日会は炭火で棒パン焼きと持ちより野菜シチューをコトコト火を起こしながら作ります。
炭火で焼くパンはまた格別なのだなぁ。