手作りの卒園式~さよならしても森の子さ~
- gorosuke
- 2017年3月24日
- 読了時間: 5分
3月23日は今年度の森のようちえん平日クラス最後の活動日。
小学校へあがる子が2人、お引っ越しや幼稚園・保育園に通う子が5人、計7名の子が巣立ちました。

卒園式といっても形式ばったものではなく、いつものようにいつもの森遊びで始まりです。
卒園児だけでなく、森にはたくさんのお友達が集まってくれました!
ふだん、森に通っている子も、幼稚園が春休みになったからと来てくれた子も
総勢こども13名、おとな10名という賑やかな森になりました。



まずは里山に咲いているお花たちを集めてブーケを作りました。近くの土手にはえていた菜の花も添えて。おかあさんの手作りの看板もすてき。
森の子には野の花が似合います。素敵なブーケができました。



卒園制作にみつろうろうそくを作りました。卒園する子もしない子も飛び入りの子も
みんな並んで丁寧に丁寧に何度も何度もロウを重ねて。
ハチミツのいいにおいのかわいいろうそくができました。ぜんぶ違う。個性的な作品たち。



お昼ご飯のために大鍋でけんちん汁を作りました。いつものように男の子たちは薪を切って
枝をくべて火の番をしてくれました。
いつもの風景がとても愛おしい、手作りの卒園式。

ろうそくを作り終えたら遊びに走る子どもたち。特別な日だけど特別じゃない。森に来れば
遊ぶのが子どもたち。かしこまったりしないありのままの姿がまぶしいね。


今日は里山の作業日でおじさんたちが木を切る場面にも遭遇しました。チェーンソーの音が響き
木を切り倒すおじさんたちの雄姿に「がんばれ~」と応援する子どもたち。
ドシ~ンと地響きを立てて木が倒れる瞬間は、ちょっとしたショーでした。いいもの見れたね。

お昼は持ちよりパーティでした!卒園母から炊き込みご飯とお赤飯。バラエティに富んだおかずいっぱい!そして焚き火で作ったあったかけんちん汁。これ以上のご馳走はないくらい。おなかいっぱい食べました。
そして午後からはいよいよ卒園式。卒園時たちはそれぞれお気に入りの衣装に着替えて一芸を披露しました。
年長さんは縄跳び、リズムよくみんなに数を数えてもらいながら跳びました。
年中さんと2歳児さんの兄妹はそれぞれお得意の手遊びを披露。みんなを笑顔いっぱいにしてくれました。
年少さんはママといっしょに歌のオンステージ。かわいい衣装に身を包みアイドルのようでした。

はずかしがってやらなかった子もいるけれど、それでいい。何ができたから凄いとか、できなかったからダメだとか、この森では関係ないから。存在そのものが宝物。


ひとりひとりそれぞれが森で輝いた瞬間を卒園証書に込めて渡しました。文を読み上げると、森でのことを思い出したのか、みんなそれぞれ嬉しそうな笑顔になって受け取ってくれました。
ザリガニ、メダカにカナヘビにカエル、カブトにクワガタ、てんとうむし。たくさんのいきものを捕まえてふれあった子。
落ち葉のプールに砂泥遊び。夢中で自然を満喫して裸足で野山を走り回ったきょうだい。
普段は別の幼稚園に通っているけど、休みのときや行事のときに参加してくれて、そのたびに夢中で遊ぶ姿を見せ、運動会では負けず嫌いの気持ちに涙も流しながらも一生懸命がんばった子。
マッチにノコギリ、焚き火にターザンロープ。たくさんのはじめてにチャレンジした男の子。
笑顔で水たまり、あっちこっちににこにこで散策した2歳さん。
竹やぶ探検したり好物の木の実をひたすら食べたりマイペースで森を楽しんでいた男の子。
みんなとっても輝いていました。それぞれがそれぞれの遊びを夢中を創り出しみんなで過ごした森の時間は、きっと彼らの生きる根っことしてこれからの人生を豊かにしてくれると信じています。

この場所をつくってくださったNPO里山を守る会の理事長ゆきじいさんにお話をしていただきました。この里山は17年前に地域の人たちが集まって整備が始まったそうです。もっと小さい範囲でのスタートでした。きっかけは中学生が顔なじみの幼児を殺傷するという凄惨な事件報道。なぜこんなにも子どもたちが壊れてしまったのか。群れているのに無言で電子ゲームの画面に熱中する子どもたちの姿に危機感を覚えたおじさんたちが、もう一度自然の遊び場を子どもたちに返そうと、やぶを払い木を切り遊具を作ってこの里山を子どもたちの遊び場へと作りあげて下さいました。ここには幼子の声がよく似合うと里山のおじさんから文集へも寄せていただきました。
やさしい人たちの気持ちでつくりあげられた子の場所は、子どもたちの心も解放し、親たちのこころもゆるめてくれました。
この場所があったからこそ、この仲間がいてくれたからこそ、見守ってくれる里山のおじさんがいてくれたからこそ、この活動ができました。
本当に本当に感謝でいっぱいです。
この森のありがたさに改めて気付く事が出来た感謝の卒園式となりました。
最後はおかあさんたちで作った替え歌「思い出のアルバムごろすけバージョン」みんなで歌って。
いつものようにさよならの「くまさんくまさん」の手遊びでバイバイしました。
里山のおじさんも一緒に記念撮影。
朝は曇り空で寒かった森も終わるころには青空が見えて、空も祝福してくれているようでした。

卒園おめでとう。今日でさよならだけど、いつでも森は待っています。
またいつでも遊びにおいでね。
この森で遊んでくれてありがとう。
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